生産工場においては、不良品の発生は悩みの種です。
100%良品だけを生産し続けることは不可能です。
一方で、その不良品が出荷されないようにする作業が「検品」作業です。
本日は、意外とできていない「検品漏れ・ミスを減らして、精度をぐっと上げるコツ」をご紹介します。
検品の精度を上げるために:
照度は適切ですか?
僕はこれまで、50件以上の工場に訪問し、工場監査や、新商品の立ち上げを行ってきました。
意外とできていないのが、検品場所の照度の確保。
検品作業って最終工程のパッキングエリア(包装工程)で実施されることが多いんですが、意外と証明が暗いんです。
十分な照度を確保する(明るい場所で検品を行う、検品場所を明るくする)ことによって、作業効率や制度が上がります!
特に、細かい傷が入っていないか確認するような検品においては、750ルクス以上が必要です(JIS基準:Z9110で定められています)
検品すべき(チェックすべき)項目は明確ですか?
検品の際には、見るべきポイントを可視化しておく必要があります。
どこを見て良いかわからないと、必ず見落としが発生するからです。
たとえば、パソコン工場での検品工程を想像してみましょう。
最後の検品では、
- パソコンに傷がついていないか。
- 正しい箱に入っているか。
- パソコン・ハードディスク・説明書・コードといった部品はすべて入っているか。
このように、見るべきポイントが可視化されていないと、
Aさんはすべて確認していたけれど、Bさんはパソコンの傷については確認していなかった、といった作業のばらつきが発生してしまうのです。
このように、検品作業する担当者間で、品質にばらつきが生じないようにするため、共通認識を持つ必要があります。
この共通認識とは、可視化されたチェック項目です。
クレーム内容は作業員に共有されていますか?
いくら検品の精度を上げても、人間が実施する作業においてミスを0%にすることはできません。
人間は必ずミスをしてしまいます。
また、クレームを発生させてしまったAさんはその後反省して気を付けているのだけれど、今度はBさんが同じミスをしてしまった、という例が後を絶たない場合が本当に多い。
しかしながら、会社として「同じミス」は極力減らしていかなくてはなりませんし、それが製造業のミッションです。
そのため、検品漏れによるクレームが発生してしまった場合には、必ず振り返りを行い、「なぜそのようなミスが起こったのか」考え、具体的な再発防止策を従業員は全員で認識しておく必要があります。
(「以後、気を付けましょう」では具体的でないので、何をどう気を付けてよいかわかりません)
そして、過去に起こってしまった検品漏れを「過去の失敗事例」として、検品担当者を含む工場の従業人に周知するのです。
また、周知の際には、作業中に目に留まる場所にポスターのように貼り付けておくと非常に有効です。
そうすることで、直接クレームを発生させてしまった人以外の作業者にも共有することができます。
最後に
検品作業は出荷前の最後の砦。
検品制度を上げて、品質の高いものを作っていきたいですね。